くるぶし

花束みたいな恋をしたのくるぶしのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
3.3
公開当時、友人に面白いと勧められていたが見送りに見送りやっとこさ1年越しにみた。そのときに観なくてよかった。喧嘩になっていた。

かなり評価が高くとても期待していたため序盤でやばい臭いを感じてもなお、『まだこっから面白くなる、ここから逆転の展開だ!』と思い続けエンドロール。その気持ちはさながら2014年ブラジルW杯でドイツに7-1で負けたブラジル国民だ。この歴史的大敗に僕も「あと一歩だった」と言わざるを得ない。

あと一歩、非常に惜しい作品で歯車が噛み合えばアジアを代表する恋愛映画になりえたポテンシャルがある。有村架純は圧倒的に可愛いし、菅田将暉の演技も一級品だ。しかし演出がダサすぎる。

テレビドラマ的な安い演出が続く。特筆すべきは心の声の多用だろう。
“そんなに心の声で説明してくれなくても観客はわかるわアホ。客を馬鹿にするな!”と思わず僕も心の声が漏れてしまった。
伏線の張り方、回収の仕方もクソダサくて鬼クドい。2人の思い出のアイテムの使い方も「ほら!ここでこれが出てくると思わないでしょ!泣きポイントですよー❗️」とダサクド製作陣のドヤ顔が透けて見えるような演出。
こんなんじゃ勿体ない。その物を映すカットが長すぎるしそれを観て思い出して泣く2人のカットもいらん。クドい。あの流れだったらもっと短く、後から気づく程度の方が上品でより感動的。

そんでBGMも安い。所謂「恋愛ドラマ」っぽいBGMでゲンナリする。
主人公らのキャラ設定も表面的でサブカルかぶれの感じもなんか好きになれなかった。似たタイプの苦手な知り合いが頭に浮かんでしまった。
クソしょーもなサブカルかぶれ大学生への皮肉と考えれば納得できるが。

ダサ演出の極みといえばエンドロール直前のシーンだろう。なにあのアラバスタ編ラストのパクリのパクリのパクリみたいなダサダサ演出。鳥肌もんのダサさ。クソ寒い。滑ってる。あんなこと有村架純と菅田将暉にやらすな。俳優としての格が落ちる。

ダサ演出さえ除けば脚本は王道の恋愛モノでとても良いと思う。勿体ない。
2話完結のテレビドラマくらいがちょうど良いんじゃないか。映画として2時間腰を据えて観るのは個人的にはしんどかった。
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