れもん

花束みたいな恋をしたのれもんのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
-
2021/2/2 #3 2021/3/22 #9
心がただひたすらに苦しかった。
絹ちゃんが麦くんとの一晩の余韻に浸りたいように、私は今この胸の苦しさを忘れたくなかった。これが昼間ではなく、レイトショーでもっともっと余韻に浸っていれたら良かったのに。
言葉をもっと豊かにしたいと思った。もっともっと紡げる言葉を豊かにしたいと。いろんな作品に出会いたいと思った。人生を豊かにしてくれる作品に出会いたいと思った。大人になんかなりたくないとも思った。
いつまでもは続かないこの淡い感じを忘れたくない。いつかは忘れてしまうし、それが人生なのだけれど、いつかはこんなこともあったなあになってしまうだろうけれど、みんなに会いたいと思う気持ちや、ああ彼は元気にしているだろうか、といつも人のことを思いやれる余裕を心に持っていたいと思った。
また今日も素敵な作品に出会ってしまった。期待以上に淡い作品だった。ちょうど就活が始まる私、いつまでもみんなとこのままの関係じゃいられないことを突き付けられる。それはそれでまた新たな関係になっていくんだろうなあと、些細なことだけれど、お互い思うからこそ、別れたくない。
麦くんは大人になってしまったけれど、大学生の麦くんがちらついていた。そうは言っても、すぐにバラバラになるなんてことはできなくて。そういうシーンは大人だったなあ。大人になることに定義なんで一生分からないままだろうけど、きっと人生なんでそんなものだ。

坂本さんの世界観、素敵だったなあ。上手く言葉にできないけれど、心がギュンってなった。大好きな作品がまた1つ増えた。こんな世界だけれど、悪いもんじゃないし、こんな中で公開できたことに感謝。
心の優しい人でありたい。ありがとう。

『SMAPが解散してなかったら、私たちも別れてなかったのかな』
れもん

れもん