てっちゃん

花束みたいな恋をしたのてっちゃんのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
3.2
公開当時かなり話題になっていたこと、知っています。
有村架純さんが尊いよ、もちろん知っています。
かなり評判良いらしいよ、知っています。

それでもなかなか踏み切ることができない作品ってありますよね?
それが本作だった訳でして、背中を押されるのを待っていた状態でありました。
でもその背中を押して頂く機会があったので、どんなもんじゃいと鑑賞したわけです。

ここからは率直な感想を書いていきます。
結論から言うと、しっくりこなかったので本作が大好きな方は見ないほうがいいです(それでも3点以上なのは点数つける基準がアホになっているからです)。

うんうん、出会いって意外とそういうもんだよなと思う始まりですね。
うんうん、この第一印象でこの人もしかしたら、、っていうのありますよね。
んー!このどきどき感はいいですよね、付き合えるの?付き合えないの?って駆け引き。
ほうほう、こうして付き合ったのね。

こんな感じで、2人が付き合うまでは、やつれきって腐り切って童心をすっかり忘れ枯れ果てた私ですが、まだ人間の感情持ってたんだ、と認識できたことに感謝。
いろいろ拗らせすぎた私ですが、今日も元気に生きています、と感謝。
母さん今日も元気にやってますと感謝。
生命をありがとうと感謝。

臭くて赤面するような箇所あれど、思い当たるような箇所もあって、むず痒くなるけど、この一言によって、その痒さが気持ち良いものとなります。
"有村架純さん、かわいいな"。

しかし、そんな魔法の言葉でも手に負えなくなる展開が続いていきますので、そのへんをお得意の箇条書きスタイルでいきます。

・聖女淑女すぎやしませんかね。

もはや聖女と化した有村架純さん。
は?と思って見ていても、全てを受け入れて(は?全ての結果みてんのかよ、と思うかもしれないけど、まともな神経ならあの過程ですらおかしいと思うし、結果をみてもなんじゃそりゃ、、と思ってしまったんですよね。分かりますよ、分かりますとも。それよりも菅田さんを信じたいから、自分を信じたいから、そもそも本作は倦怠期を描く作品であるってことは。でも、どうなのよ?と私は思ってしまったんです。)、菅田さんを包み込んでいきます。

あなたはこうしたいんだよね、私には全て分かっているよ、と画面から気色悪い(私にはホラーにすら感じた)微笑みが漏れてきて溢れてくる。
なので菅田さんは、どんどんと文字通りの最低野郎のどうしようもない奴に成り下がり、一切の成長はしないし、それは有村架純さんも同じ。

なので観ていて、全く共感しなかったし、最後に盛大に泣いている2人を見ても、全くぴくりともしなかった。
もっと人間臭く、泥臭くなれよ!と喝入れて、観ていた私は異常なのでしょうか。
岡本太郎さんの本読んだ余波がこんなとこまできたのかな?
これ泣ける話、エモい話なの?これが?

よくある主人公を甘やかして、作者の妄想をとことん盛り込んだ類の漫画を思い出してしまいました(その昔、そうした漫画のエロ部分だけじっくり読み込むのは思春期あるあるですよね)。

・菅田さん、、大丈夫?

一方で菅田さんは感情なり思考が訳わからんくらい壊れていきます。

ブラック企業に入ったから?
そういう側面はありますよね。
ブラック企業に勤めているからこそ、分かるぞ!と応援してましたが、明らかに情緒が不安定すぎて、思考もめちゃくちゃになって、行動は破綻していますよね。

なので私はまともに脚本も練らず、構成も考えず、思いつきで菅田さんを描いていった結果、一種の"化け物"ができあがってしまったと感じました。

特に終盤に至っては、お前あれだけ仕事仕事だったのにどうしたの?
急に変わったな、大丈夫?
あの最後のやついる?
、、そんな感じで疑問を感じるばかりでした。

・それでも、それでも
それでもやっぱり人気だなと分かるような箇所は感じることができましたよ。
付き合うまでの過程だったり、共有する時間の大切さだったり、思い出の大切さだったり。

あとはあの同棲してた家いいなと思ったのが1番ですかね。

おそらく私のような腐りきって、曲がりに曲がった人間が観るから、こんな感想になっただろうし、映画はいろんな意見があるのが当然だと思う戯言のひとつでございました。
てっちゃん

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