「怪物」の前に、坂元裕二脚本作を。
まあまず自分では選ばないような映画。
だけど、めちゃくちゃ良かった。恐れ入った。
“好き”を共有する2人が結ばれてカップルになる。
お互いの個性と個性が奇跡的に結びつくが、現実との狭間でそれが脆くも剥がれていく。
2人の関係性に歪みが生まれるたびに、なぜかこちらまで締め付けられた。
菅田将暉も有村架純も、なんやかんや初めて映像作品を観たけど2人ともすごい良かった。
有村架純に関しては可愛いだけじゃなくて、ちゃんと人間臭くてちゃんと“こちら側”だった。本来の彼女は“あちら側”なのかも知れないけど、映画の中ではそう思わせてくれる彼女の演技力には脱帽だ。
終盤ファミレスのシーンは、紛れもなく本作のハイライト。
すこしいやらし過ぎるかも知れないが、2人の口から何も台詞を発さずに観客と同じ感覚・時間・感情を共有させている。
あそこまで見せられたらさすがにこちらの心も動く。かなりキツかった。いい意味で。
大好きなラ・ラ・ランドにもすこし通じる、終わりがあるから美しい映画だった。
その辺のサクッと消費され忘れ去られていく恋愛映画だと思ってました。ごめんなさい。
また観たい。
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