サン

花束みたいな恋をしたのサンのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
4.6
これはキツイ。
なんてキツイ作品なんだ。
みんなこの経験したことある。
あるよね。

ほんとにさ、なんでさ。
永遠なんてあるなんて思わないけど、
なんて言いながら
永遠をみんな頭の片隅に思うわけ。
永楽の愛を、どこか片隅に思うのに
永遠の愛なんてないんだよ、なんて斜に構えるわけ。

いつまでもいつまでもこの瞬間が続けばいい
なんて、思ってるのに
この瞬間が続くことはないんだよね。

麦くんは絹ちゃんのことを思って変わったのに
その変化は絹ちゃんにとっては苦痛だったんだよね。
ああつらい、つらすぎる。

なんかの映画で
「恋の始まりの瞬間を思い出したら、その恋はもう終わってるんだ」
っていう言葉があるんだけど
(何の映画かは忘れた)
まさしくその通りだな、って。
宝石の国をふたりで読んだところがピークなんだよ
そこで涙を流したのがピークだったの。
ああつらい、なんてつらいんだ。


でもふたりとも
綺麗で、楽しくて、見た目だけ格好がついてるカップルのことしかしなくて
生活をしていくにはお金が必要で
いつまでも好きなことはできなくて。
麦くんはそれを気づいたのに
絹ちゃんのことを「いつまで学生気分なのかな」って思ってしまって。

30代になった今ならわかる

別に就職したら全員精神やられてパズドラばっかするような人間になるわけじゃない
麦くんと絹ちゃんみたいな生活しながら
社会人やってくひともいる。

結婚したら恋愛感情がゼロになるわけでもない
恋愛の延長上に結婚があるだけで
なにも変わらない

べつにオトナになるために
自分を全部変えなきゃいけないわけじゃない。
でもこの2人はそれを知らなかったから。
覚悟を決めて決断しなきゃ、
変わらなきゃいけないと思ってて。

なんかそこが見てて歯痒かったな〜
そこの描写を、絶妙に描いてて
めっちゃ良かった。

なんてツラいけど
尊い瞬間だったんだろう。



菅田将暉の演技最強でしたね
ほんとにこのひとすごいな。
目がどんどん変わっていくの。
すごかった。
サン

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