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花束みたいな恋をしたの404のネタバレレビュー・内容・結末

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

ようやく観れた💐
なんというか映画というよりも、物語のある写真集みたいな綺麗さだった

まだここまでの大恋愛をしたことがないから、いずれこの映画をまた観たら感じることが変わるかも

「きっかけは押井守だった」
「好きな言葉は替え玉無料です」
「好きな言葉はバールのようなものです」

映画の半券栞にするタイプだ〜とか、じゃんけんで紙が石に勝つわけないじゃないですか〜とか、同じ靴だったり、天竺鼠のライブのチケット持ってたり、趣味とか考えることが似たようなふたりが、初対面で敬語なのにやわらかくて打ち解けた空気を持っていて素敵だった
「今日ここで会うためのチケットだったってことですね」はロマンチックだけど、ちゃんとライブ行ったってくれや〜〜とつい思ってしまいました


劇場版ガスタンクを観ながら「5分寝るね」って言った絹ちゃんに対して毛布をかけてあげる麦くん、もうすでに愛しかなくて悶えてた


「もったいないもったいない
今話しかけないで、まだ上書きしないで、
まだ昨日の夜の余韻の中にいたいんだよ」

「私の濡れた髪を乾かし始めた
何かが始まる予感がして心臓がなったけど、ドライヤーの音が消してくれた」

「友達だって思ってるのかな」
「話が合うからってだけなのかも」
「3回ご飯食べて告白しなかったらただの友達になってしまうよって説あるし」
「だんだん焦ってきて」
「好きかどうかが会ってないときに考える時間の長さで決まるなら、間違いなくそうで」
「お店の人に感じいいな〜とか、歩幅合わせてくれるな〜とか、ポイントカードだったらもうとっくに溜まってて、つぎは絶対告白しようって」
「終電までに告白しようって決めて、ふたりでガスタンク見に行った」
ここの交互にことばを紡いでいく演出も、パフェ越しにスマホのカメラから相手を見つめてたのが、スマホの画面の外にピントが合うのもふたりの視線の移動を表してるみたいな演出もすごく、すごく好き

「信号はなかなか変わらなかった
信号はまだ変わらなかった
信号は押しボタン式だった」


海であそんでるふたりの顔面がよすぎてしんどい、フィルムカメラで撮った写真ってその瞬間を他の世界から切り離して保存しているみたいで美しいなあとおもいました

「ふつうになるのってむずかしい」

就職を機にふたりの生活がすれ違っていくわけだけど、わたし自身が舞台小説ゲームとかがすきだからめちゃくちゃ絹ちゃん側に共感してて、麦くんが『人生の勝算』読み出したあたりでア"〜〜〜ってなったし、
パン屋さんがつぶれちゃったことを話したら「駅前のパン屋で買えばいいじゃん」とかそんな情緒ないこと言わないでほしいし、
「してほしいことある?」って聞き方ももう絹ちゃんから麦くんへの依頼になってて、ああ「いっしょにしたいこと」ですらないんだなって、たぶんそれ言われたらめちゃくちゃイライラする😔
「よくわからなかった、いつまで学生気分でいるんだろう」
「生きるってことは責任だよ」とは言ってもサブカルを楽しめる心を失って、真っ暗な会社の中でパズドラするような生き方が正しいとはわたしには思えなかった


さいごのデート後、「別に明日以降でも」って別れ話を引き伸ばそうとした麦くんと、「今がいいと思う」って終わらせようとした絹ちゃん
しかも「じゃあ結婚しよう」って何????その「じゃあ」いらなすぎて観ながらキレてた、どういうこと???


趣味や好きなものが同じで話がおわらなくて終電になってたようなふたりが、ぽつりぽつり交互に話していく空気感も、ファミレスのカップルが同じ靴を履いてたり本を交換してるのを見て、かつての自分達を重ねるのも、4年の長さを感じてすごい重かった


ラスト、ストリートビューで多摩川沿いを歩くふたりを見つけるのも、絹ちゃんと食べられなかったさわやかのハンバーグを会社の人と食べたことを麦くんが話したら「え?たべたよ」みたいにサラッと言うのも、ふたつの物語がおわったからこそって感じでよかった

最後に、「女の子に花の名前教わると、花を見るたびにその子のこと思い出しちゃう」みたいな話があったけど、結局教えてなくてもマーガレット見るたびに思い出しそうだし、ふたりにとって色褪せても綺麗に本棚にしまっておくような恋だったのかな〜〜とおもったり思わなかったりしました
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