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花束みたいな恋をしたのeryuのネタバレレビュー・内容・結末

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

 価値観も好きなものも考え方も似てる2人が出会って恋をした。でもそれはずっと続くわけではなく、互いに社会にでると考え方も価値観も大切にしていきたいものも、それぞれ少しずつ変わる。ずっと変わらない愛おしい時間を過ごし続けてほしいと思いながらも、2人の関係性がどんどん変わっていくことは不思議じゃなく、それを理解できるのが少し切なかった。
 結婚して何十年経つと「好き」という感情がなくなると言っていたけれど、結婚して何十年も離婚せずにいる夫婦の根幹にはお互いを愛おしく思う気持ちがどこかに少しでもあるから、離れないんだと思う。相手のことをどうでもいいと思ったら、それは恋愛や夫婦間において終わりに近いんだと思う。互いの環境が変わっても、何があってもやっぱり愛おしいと思う瞬間を感じられる人と結婚したい。一緒に生きたいと思った。
 学生時代から社会人までのカップルを演じたお2人は、出会った時な運命を感じている場面や、日常の中の一緒に過ごせている時間に幸せを感じている場面など、幸せな場面から喧嘩などの場面まで、あーカップルってこういうものなんだろうな、こういうとこらで、この人に出会ってよかったと感じるんだろうな、がすごく伝わるお芝居だった。
 有村架純さんがこの作品で、日本アカデミー賞主演女優賞を受賞されていた。恋をして、自分も相手もそれぞれ異なる成長をして、相手とすれ違うようになっていって別れる、そして別れてからも思い出を心にしまっておきながら新しく自分の人生を歩んでいく1人の女性を、とてもリアルに体現していたところがすごいと思った。
 1つの恋の始まりから終わりまでが、きっととてもリアルに描かれている作品なんだと思う。
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