YYamada

フロッグのYYamadaのレビュー・感想・評価

フロッグ(2019年製作の映画)
3.8
【サスペンス映画のススメ】
〈ジャンル定義への当てはめ〉
 ◎: 観客の緊張感を煽る
 ○: 超常現象なし

◆作品名:
フロッグ (2019)
◆サスペンスの要素:
・少年失踪事件の解明
・家庭内で起こる不可解な事象

※本作はレビューチェック前の予備知識がない状態で鑑賞することを強くオススメします。

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・アメリカのとある街で少年たちが相次いで失踪。その事件現場には、かつて世間を騒がせた連続少年誘拐殺人事件と同じ緑色のナイフが残されていたが、当時の犯人は既に逮捕されており捜査は難航する。
・一方、事件を担当するハーパー刑事の自宅で不可解な現象が続発。やがてハーパー刑事の息子コナーのもとに奇妙なメッセージが届き、事態は予想外の方向へと展開していく…。

〈見処〉
①開始45分、その恐怖は快感に変わる。
 巧みな伏線と構成の極上ミステリー
・『フロッグ』(原題:I See You)は、2019年に製作されたホラー・サスペンス。日本では、2021年3月に「未体験ゾーンの映画たち2021」上映作品として公開されている。
・本作の主演は『恋愛小説家』のオスカー受賞女優、ヘレン・ハント。『iBOY』などのアダム・ランドールがメガホンを取り、俳優としても活動するデヴォン・グレイが脚本を手掛けている。
・上映時間109分の本作冒頭の45分は、テレビが勝手についたり、突然扉が閉まったりするなどの不可解な現象に遭遇する「ホラー・スリラー」で描かれる「第1幕」に該当。
・続く「第2幕」は、ハンディカムカメラを多用し「第1幕」の裏側を描く「王道サスペンス」。
・「第1幕」と「第2幕」の物語が交差する終盤「第3幕」は、事件の全容が明らかになる上質の「ミステリー」。先の読めない重層的なストーリーと途中で作風が転調する巧みな構成で描いた極上ミステリーである。

②結び…本作の見処は?
◎: 予備知識なしで鑑賞すると、ジャンルすらわからない作品内容によって、良い意味で脳ミソをフル回転させて鑑賞することを余儀なくされる。
◎: 登場人物全員が「加勢」にいるのか「守勢」にいるのかすらわからない。作中に何度も攻守交替される稀有な作品。
○: 異なる立場から描いた第1幕と第2幕の各々のシーンのカメラワークの違いを堪能したい。
▲: 本作のポスターやキャッチコピーは情報の与えすぎな感あり。
▲: シワとりヒアルロン酸注射をしたようなヘレン・ハントの不自然な厚化粧に、かつての魅力を感じ得ない。そもそも彼女の配役は「主演」?
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