Kientopp552

The Fair(英題)のKientopp552のレビュー・感想・評価

The Fair(英題)(1960年製作の映画)
5.0
 1946年以来ドイツ社会におけるナチズムの問題を取り上げてきた「政治的芸術家」としてのW.シュタウテは、本作において「脱走兵」という問題に焦点を当てることにより、民主主義体制の中における軍隊の在り方についての議論をより掘り下げたと言えるのである。本作の主人公(ゲッツ・ゲオルゲが好演)の苗字Mertensが、W.シュタウテが東西分裂前の東ベルリンで撮った、戦後初のドイツ映画『Die Mörder sind unter uns殺人者は我々のうちにいる』(1946年作)の主人公の医師の名と一致するのは、偶然ではないであろう。本作『Kirmesキアメス教会堂開基祭』によって、W.シュタウテは、その制作のテーマ設定において、新しい次元を切り開いた一歩を印したと言える。
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