ペーパーライク

ナイン・デイズのペーパーライクのレビュー・感想・評価

ナイン・デイズ(2020年製作の映画)
4.5
とてつもなく良い。
設定を言うとネタバレになるのでソコソコに伝えると、この世に生を受けるために様々な試験を受ける者たちと試験官の話で、主人公はその試験官、人になるための試験の合否に面白さがあるのではなく、合否を決める主人公の葛藤に面白さがある。

試験を受ける者たちは、人になる前の人なので、見た目は大人(老人もいる)なのだが、精神的に未成熟な所もあり、試験の期間中この世のことわりを少しづつ吸収し自我が芽生えてくる、その際にそれぞれのキャラクター性が出てくるのだか、その演出がとても良い。
自我の出発点についても考えさせられる。

主人公のキャラクターも凄まじく良い。
合否を決める上で、非情になりきれない主人公の感情がとても深みがある。

試験に落ちた者たちに主人公がとある行動を取るのだが、その演出がとてつもなく美しいし物語のキーポイントになっている。

撮影、ライティング、美術、脚本、演出、
どれをとっても、最高の作品。

この作品に出会えて本当によかった。