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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド/エクステンデッド・カットのその他のレビュー・感想・評価

4.5
【第26回宮崎映画祭2021】上映

1969年ハリウッドー
落ち目の俳優リック(レオナルド・ディカプリオ)と付き人兼専属スタントマンのクリフ(ブラッド・ピット)の友情と時代を揺るがした大事件を描く。

もう一度映画を好きになるキッカケになった映画。エクステンデッド版はこっちで「上映がない😭」と涙を飲んだあの日。
なんと復刻上映で見ることができました!
どこが良いとかじゃなく、全部良い。
ドンピシャで自分の趣味に合うんです。

1969年8月9日ー
ヒッピーの若者集団によって若手女優シャロン・テートとその友人5人が虐殺されました。シャロンは妊娠8ヶ月でした。

ポランスキー邸のパーティーで起こった動機もクソもない人違い殺人。
招待されながらもそのパーティーを欠席したブルース・リーとスティーブ・マックイーン。武術の達人と海兵隊上がりのタフガイがその場にいたら...
歴史が変わっていたかも知れませんね。
1969年のハリウッドで幼少期を過ごし、そこで起こった悲劇を昔々のハッピーエンドへ。タランティーノ監督からハリウッドへのラブレター。

ラスト13分ー
Vanilla Fudge「You Keep Me Hangin' On」をBGMにトリップしたマンソン・ファミリーとの狂宴はカウンター・カルチャーへの挽歌のよう。



タランティーノ監督作品を映画館で見たのはこれが初めてでした。
今回の舞台、1960年代と言えば、ベトナム戦争とその反戦運動、ロックンロール、ヒッピームーブメント、そしてアメリカン・ニュー・シネマへ、激動の時代です。
映画史にとって切っても切り離せない年代と思います。





ONES UPON A TIME IN...HOLLYWOOD
昔々...ハリウッドで、
あくまでお伽話、最後はめでたしめでたし。

舞台が約50年前という事で
当時のレストラン、街中の人々の服装、車に至っては街中を走るトラックの広告デザインまで当時を忠実に再現しているようです。
ヒッピー集団が乗っていたボロ車も事件当時の実物が残っているらしくそれをモチーフに再現したとか...(実物を借りる事が出来たらしいが俳優を殺人犯の車に乗せる訳にはいかなかったとのこと)。
また、当時のハリウッドで幼少期を過ごしたタランティーノ監督は流れていたラジオ番組の再現まで抜かり有りません。
ファッションに関して、
シャロン役のマーゴット・ロビーはシャロン本人のイヤリングを劇中身に付けている様です。ミニスカートにニーハイブーツもこの時代を代表するファッションですね。言うまでもなくブラピのファッションは最強です。
他にも、もしもリックが『大脱走』の主演だったら、クリフがドラマ現場でブルース・リーと一悶着、などサプライズも満載。

キャラクター設定も面白い。
リックは、イタリアの西部劇映画のオファーを貰うのに「俺のキャリアは終わった。」と泣き出す始末。当時のハリウッドではまだ海外作品の出演に抵抗がある様子。
クリフは戦場帰りで、どことなくはみ出しもの。撮影現場では衝突が絶えず、妻殺し、なんて黒い噂も...。
どのキャラクターも下敷きがあるので実在の人物か、架空の人物か、関係なく魅了満点。また、ピットブルのブランディ(サユリ)はカンヌ国際映画祭でパルム・ドッグ賞を受賞した名俳優犬です。視聴後に強烈な印象を与えてくれました。

衣装良し、音楽良し、配役良し、時代背景良しの大好きな映画となりました。

The 9th Film from Quentin Tarantino.
10作引退宣言も有りますが、次回作が早くも楽しみです。
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