ねこみみ

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド/エクステンデッド・カットのねこみみのレビュー・感想・評価

4.8
「チャールズ・マンソン」「シャロン・テート」は最低限ググッておくべし。というフォロワーさんのレビューに従いました。
本当にたすかった!これを知ってるか知らないかでは雲泥の差。知らないままみたらこの映画の良さは全くといっていいほど伝わらないと思う。もう、大感謝です。

ブラピにディカプリオ、そして題名が「ワンス・アポン・ア・タイム・イン ・ハリウッド」。
こんなの気にならないわけがなくて、公開当時からもちろん見に行こうかどうしようかとずっと思ってた。

でもレビューをチラ見すると賛否両論で、その否には「わからなかった」的な意見が多い。これはハリウッドに詳しくないとわからないのかもしれないぞ…とびびり倒してしまい、今に至ります。
今回たまたま上映情報を見つけて、いい機会だからと意を決して観てみることに。シャロン・テート事件とチャールズ・マンソンのヒッピーファミリーについてしっかり頭に入れて見に行った。
※これ知らないで見て「わからん」と思った人、ぜひ調べてからもう一度見てみて欲しいです。


⬇️以下、ネタバレ⬇️











知った状態で観たら、冒頭から伏線伏線で…事件のことを知っている分、いつ不穏な展開がくるのかとどきどきしつつ、ブラピとディカプリオが織り成す微笑ましい関係性に何度もクスッと笑わせてもらった。
そして実際にいた(いる)人物と、架空の人物がどう関わっていくのかも非常に見もの。

冒頭からずっとアメリカの映画文化や過去作品へのオマージュが散りばめられていて、私にはわからないものも多かったけれど、でもなんだか映画への愛は伝わってくる。

すべてはラストのバイオレンス。
バイオレンスって基本的にはかなり苦手なんだけど、この作品のここでのバイオレンスはもう爽快で爽快で!
いきなりすんごいバイオレンスシーン始まったとき、そうだこれタランティーノだったわ、と思ったw

実際にはヒッピーに惨殺されてしまったシャロン・テートと友人たち。
この「ハリウッドのおとぎ話」の中では、ブラピとディカプリオがヒッピーをやっつけちゃいます。息の根を止めちゃいます。
妻を殺したらしいという噂をされているブラピは薬でトリップしながら楽しげになぶり殺し、犬も餌の缶も大活躍し、ディカプリオはびびり散らかしながら冒頭で登場した火炎放射器持ち出して焼き殺しちゃう伏線回収。いやおもろすぎるって。。。

そして全てが終わったあと、隣人と立ち話をして飲まないかとシャロン・テートに招かれるディカプリオ。
実際には惨殺されている。それが生きていて、自分が狙われていたなんて夢にも思わず、幸せに生きていく未来を得たシャロン・テート。
この世界の彼女は赤ちゃんも無事産んで、ポランスキーと幸せに暮らしていくのだろう。(いやポランスキーだからな・・・幸せ・・・どうかな・・・)

そう、すべてがおとぎ話。実際にはいなかったヒーロー2人と1匹。だから「ワンス・アポン・ア・タイム」。

本当に面白かった。モチーフはあまりにも残忍な事件なのでこういった描き方をしていいのかという倫理的観点は考えてしまうけれど。
それでも、映画史や文化への愛と、許し難い事件への映画監督としての最大限の非難のメッセージが詰まっているように感じられて、個人的には本当に素晴らしい作品だと心から思えた。

ブラピはあらゆる仕草や表情がずっと色気ムンムンでかっこいいし、ディカプリオはずっとまぬけかわいくて愛おしい。セリフ飛んだ自分にブチギレるシーンなんか、あんな愛おしいことある?かわいすぎるー。
最高だった。

私が観たのはこちらのバージョンなんだけど、劇場公開版にないのはどのシーンだったのだろう?ラストの「賞金稼ぎの掟」映像とかかな?

ディカプリオが演技絶賛されて泣いちゃうシーンがだいすきでした。泣きました。
ねこみみ

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