jam

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド/エクステンデッド・カットのjamのレビュー・感想・評価

4.3
全盛期を過ぎたことを
受け入れなければならない
日々、役に立たなくなった自分を
受け入れなければならない


Easy Breezy


人生のピークについて
時折、考えるのです。
若く、才能や野心に溢れて
輝くような日々
成功を手にしたとすれば、
それがひとつのピークと言えるのでしょう

けれども
私たちには。少しずつ、目に見えるものと見えないかたちの変化が訪れてきて。
エンタテインメントとして優れたこの作品を通して、自分自身を見つめる機会がまた。


リック・ダルトン
テレビ俳優として数々の名声を手にした彼も、
そろそろ自らの行く末を案じる時期に差し掛かっているところ。

そのリックに寄り添う、スタントマン
クリフ・ブース
彼にもまた。
栄光を掴んだとは、決して言えない現状を見つめ直す、波のようなものの訪れを感じて。


一方で
しあわせの絶頂にいるのは
シャロン・テート
たとえ、
女優としての成功は微々たるものだとしても。
ひとり、
自身の出演作を観て湧き上がる喜びを噛みしめ。
愛する人と、間もなくやってくるもうひとつの宝物を待つ日々…



散々、たくさんの方々が素晴らしいレビューをあげていらっしゃるので。
タランティーノの映画愛溢れる証を検証するのは、今更ですから。

ただ、というかやはり。
リックの可愛らしさとか、クリフの完璧な相棒っぷりに触れない訳にはいかなくて。

お二人とも、役者さんとしてほんとうにいい年齢の重ね方をされているのが、嬉しくて。
その上で、この作品のなかで描かれている人生のピークを紐解いて。



ラストに向かう高揚感と寂寥感がない混ぜとなったまま。

ありがとう、タランティーノ。

シャロンは、これからまだピークを迎えるのですもの…


エクステンデッドのオマケは。
思わずニヤリ、ですね。
jam

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