Kenji

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド/エクステンデッド・カットのKenjiのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

前作の本編の序盤と終盤に新たにシーンが追加されていました。
序盤では、「レッドアップル」という銘柄のタバコとビール「チャタヌーガ」のフェイクCMが流れ60年代らしい宣伝で作品の世界観や空気感へ誘う感じが出ていました。
終盤で『ランサー牧場』で子役のジュリア・バターズと故ルーク・ペリーとティモシー・オリフォントなどの共演シーンやリック・ダルトンの『バウンティ・ロー/賞金稼ぎの掟』のフルバージョンのCMがおまけシーンとして追加されていました。

個人的に劇中本編でシーンが追加されるのかと思っていました。
しかしタランティーノ監督の60年代特有の雰囲気や遊び心や意欲的な要素が含まれている感じに捉えました。
やはり、本編序盤のマーヴィン・シュワーズとリックとの会話のあと泣きながらタバコを吸いつつクリフに今後の不安を吐露して肩に頭を当てるシーンが2人の関係を表しているシーンで印象に残りました。

リックの運転手をしたあとトレーハウスに帰り、飼犬のブランディに雑に餌入れにドッグフードを入れるところや鍋ごとパスタをビールと一緒に食べるクリフとお酒を飲みながらもプールに浮きつつリハーサルテープで練習しているリックなど生活感を描いているのも見どころありました。
中盤にリック、クリフ、シャロンとサイドストーリーで話を展開しているところも良かったです。

ここまでは、淡々と懐かしさを漂わせつつ物語を進めていましたが終盤に監督の真骨頂とも言えるぐらいにシャロン邸に侵入するはずだった実行犯たちがクリフにボコられリックに火炎放射器で反撃されたりなど滅茶苦茶スピーディーな展開でした。
そして、シャロンの家にリックが招待されるところのBGMが若干ファンタジーチックな演出で「シャロン・テート事件」のIFストーリーな所も感じました。
タランティーノ監督のハリウッド愛に溢れていました。
Kenji

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