「完璧」という語はこの映画のためにあるんじゃないかと思うくらい完璧すぎて震えた。最初の銃口ショット→ターゲットアイコン→水飛び込みアクション繋ぎ(ズームアップ→ロングショット)から、最後の弾が残っているかどうかの問い掛けと水落ちの反復まで痺れっぱなし。その後の星型警官バッヂを投げる(!)ところもアクション繋ぎでアップからロングへ。スポーツスタジアムのシーンでのどんどん上空へ引いていくカメラワークもヤバいしロングショットが素晴らしい映画。ドン・シーゲルのショットへの拘りは異常なまでに鋭く、これ程までに暗闇が暗い画面は滅多に出会えない。序盤の車激突→噴水、中盤の高い壁を見上げるPOVショット、終盤の殺人犯の狂気と砂塵からヌっと飛び出すイーストウッド。ずっとキレキレ。移動し続けるプロットもGood、1つの事件シークエンスが終わるとまたすぐに次の事件シークエンスへ繋がれる。めちゃくちゃ速い。大きな穴から引き上げられた少女の全裸死体にものすごく「映画」を感じた。