このレビューはネタバレを含みます
大人の目線から子供の目線へと目線がゆれる映画。ここに出てくる大人はほとんど病んでいる。そして子供の世話などしたくないと思っている。それを察した子供のする行為は、大人以上に大人びた態度で示すしかない。大人への当てこすりだ。
しかし子供はやはり子供だ。「大人は判ってくれない」でトリフォーが示したテーマは、「クレイマー・クレイマー」などを経由してここにも結実している。
マイク・ミルズ監督の家族観は独特だ。子供は手に負えない、という大人側の立場を明確にしつつ、子供目線で大人を見上げる映画に組み立てている。そのあまりのリアリティを寓話的にモノクロで撮ることで、ファンタジックな映画に仕上がっている。
