ぱりぱり

カモン カモンのぱりぱりのレビュー・感想・評価

カモン カモン(2021年製作の映画)
3.5
相変わらずミルズよかったんだけど、他のマイク・ミルズ作品に比べると、全体の構成が脆いというか、それぞれの重要シーンをとりあえず繋ぎ合わせてみました!という印象がある
それが少し気にはなるけれど、そうすることでミルズ色は薄れて、役者勝負になってこれはこれでよかった。子役のノーマンはもちろんだけど、ホアキンが好きになった!!演じていたジョニーよりもホアキン本人の方がもっとミルズの作品に出てくる不器用人間ぽいような気もした

ミルズの作品は不器用な人がテーマになっていると思ってきたけれど、これに出てくるジョニー(ホアキン)とジェシー(ノーマン)は不器用にしては器用すぎる?
二人とも確かに変わり者かもしれないけれど、自分なりの方法で相手に気持ちや意見を伝えられていた
多分この二人の関係性がはじめぎこちなかったのは、子どもが苦手なジョニー(予測不可能な子どもに合わせて対応するのが苦手なのかな?)と、友達がいなくて子どもの中でも変わっててちょっとひねくれたジェシーという組み合わせの問題だったはず
だんだんジョニーとジェシーが保護者と子どもという関係を脱するにつれて、対等な人間との関係が出来上がっていく様子に感動する



ママは僕の全てを知らない。
僕はママの全てを知らない。
でも、それでいいんだ

多分あらゆる人間関係において相手を知りたいと思う気持ちと同時にこのことは心に留めておくべきだといつも思う。そして、関係が近ければ近いほど、そうやって自分を納得させるのが難しいんだろうなと思う