こつぶライダー

カモン カモンのこつぶライダーのレビュー・感想・評価

カモン カモン(2021年製作の映画)
4.0
人生は思ってることは起きない。思ってもみないことが起こる。だから進まなきゃいけない。先へ、先へ。

何から書くべきか…凄く迷ってしまった。
設定はとてもありえそうで、でも非日常感もあって。
モノクロ映像がドキュメンタリー色をより強く感じさせる。
説教臭くない、説明も上手くない。
その分描写全てがアート的で感情に刺さる。

出てくる人物それぞれが何かしら問題を抱えていて、一人でもがきながら生きている。

基本的には9歳の少年ジェシーと、伯父のジョニーの絆を描いたセンチメンタルドラマではある。
子どもの目線で見た世界と私たち大人が見ている現実とのギャップみたいなものを詰める内容だったのかな。

簡単な会話劇ではなくて、ジェシーが等身大過ぎてわかりづらい脚本なのよ。
それでも互いに苦悩しながら歩み寄る姿勢とか、描き方がリアルで伝わってくるのよ。

ホアキン・フェニックスは相変わらず演技が上手い。ほんじゃそこらのカッコイイハリウッドスターが演じるような非現実的な人間と違って、その辺にいるオジサンを体現してる。
だけど、本作は明らかにウッディ・ノーマン君が主役でしたね。新星現るって感じ。もしかしたら今作だけで終わる雰囲気もある子役かも。個性強め。

私も実体験で話すと、子どもはわかってないように見えて結構理解しているもの。
大人は物事を分かりやすいように筋道立てて理解しようとするんだけど、子どもはそうじゃなくてさ。深いところには至らなくても、本質ついてるってことがある。感性なのか、気づきの鋭さがある。
インタビュー内容とかも、まさにそうだったように、彼らが見てる世界を理解することが、より世界を良くすることにも繋がるのかもしれないね。
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