ゆりな

カモン カモンのゆりなのレビュー・感想・評価

カモン カモン(2021年製作の映画)
3.6
私がこの手の幼少期の思い出系映画に、どっぷり浸かれないのは、自分の思い出がなくて重ねることも追体験もなぜかできないからだ。
だから映画の評価が低いんじゃなくて、私の感情が欠如していて、追いつけていないだけなんだよね。
みんなは、こんな風に昔の日記をめくるような思い出があるのかな?

そっか!これA24作品なのね。当時映画館で見逃したやつ。いや、私が家で観る映画の大半が当時見逃したやつだわな。

自分の家庭環境が良いとは言えないので、誕生日や命日近いと、親子ものにウッとなるものの、義理の兄弟とか叔父甥とかの作品はむしろ好きなんだよね!
バディものも好きだし、親子と違って必然的に仲良くならなきゃいけない関係じゃないところに、絆が生まれるのが好きなんだと思う。それって運命じゃん。

他の映画とも、これまでのマイク・ミルズの作品よりも、本作はずっとずっとスローペースでおっとりしている。モノクロで情報量がカラー映画より少ないから、写真のようにじんわりしている。思えば「ベルファスト」とよく並べられていたよね。

いいなー。私もNYを旅したい!
こうゆう風に子供がのびのびしたいことをしてて、物を言うことに憧れがあるのだ。自分は人見知りで大人が怖くて、懐っこくもなく、わがままを言える子供じゃなかったから。

ちょこちょこ平日の夜に複数回に分けて観て、「aftersun/アフターサン」を観に行った日に、観終えた。
こうゆう些細な出来事を、長々シーンとして描く映画について、好みが合わないと退屈してしまうのだけど「aftersun/アフターサン」を観終えた後だと、意味のない出来事・シーンなんてないんだなと思った。誰かにとっては何でもなくても、誰かにとっては大切な思い出。

とは言え、私には難しかったです。いつか理解できる日がくるかしら。
個人的には、こうゆう思い出を語る映画ってカラーでこそ色濃くより思い出を思い返せるし、「大人になった僕の子供の頃の話」でもないので、モノクロじゃなかったらグッと来ていそうだなと。
しかもマイク・ミルズの映画ってまばゆい光や撮り方がいいし。
ゆりな

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