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カモン カモンのkmtnのネタバレレビュー・内容・結末

カモン カモン(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ラジオ局勤めのジャーナリストをホアキン・フェニックスが、彼に一時的に預けられる親戚の男の子役をウディー・ノーマンが演じる。
全編白黒で撮影されていて、とても静かな印象の映画だった。


子どもたちへのインタビューを録音する為、アメリカの幾つかの街を2人で訪れる。
そうしていくうちに2人の距離は縮まっていくが、そんな2人にも別れの日が。


邦画「きみはいい子」でもこれとは全く異なる質問だけど、子供ひとりひとりに話を聞いていくシーンがある。
それを思い出した。
どちらも同じ年くらいの子ども達なんだけれど、「きみはいい子」でモジモジしながら話す日本人の子ども達と比べると、アメリカ人というのは堂々と話すもんだなあと感心せざるを得ない。
でもどちらも大人の心を揺さぶってくるのに変わりないのは、どちらも未来というものを観ている我々に否が応でも意識させられるからだろうか。


結局のところ、大人のというのは彼らのために存在しているに過ぎない。
まるで社会とか、あるいは世界というものは大人の所有物みたいに感じてしまう時がある。
でも実際にはそうじゃない。
明るい未来を語る彼らのための世界であって欲しい。


子役の演技が絶賛されていて、確かにすごいけれど、やはり名優ホアキン・フェニックスの演技は桁違い。
例えばケビン・スペイシーなんかは、どの作品に出て、どんなに善人の役を演じても胡散臭さが抜け切らないが、ホアキン・フェニックスの演技はどの作品でも、どこに映っていても、ちゃんとその役柄にピッタリ収まっている。


因みにスタジオA24は直近の作品の興行的苦戦から、作家主義の作品から、娯楽作品への路線変更を打ち出している。
今後はこういう作品もA24からは減っていくのかもしれないのは、ちょっと世知辛い。
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