麻婆

カモン カモンの麻婆のレビュー・感想・評価

カモン カモン(2021年製作の映画)
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"フェミニスト映画"という枠組みはそもそも意味不明で全く好きではない。"フェミニスト映画"の定義は女性が主人公であることが前提とされるものが多く、多数の要素を組み込める芸術作品に一つのイズムから形式を確定させてしまい幅を狭めているように思えるから。とはいえ、フェミニズムの文脈で作品を捉えることにも価値があるように思える。今作は女性が主人公でなくても、"フェミニスト映画"に分類できるよね。


ここまで向き合ってコミュニケーションを重ねても、なかなかうまくいかないのが現実なのだから。言葉にしない美徳なんか気にせずにとにかく向き合う派デス。作品において美とかはいいとして、現実でコミュニケーションを取らないことを実践してる奴ら、実践ではなくただの逃げの可能性が高い。映画を現実に入れ込みすぎ派の私は諸々現実を思い出して腹が立つ。

いいや、ただ単に私と向き合いたくないだけなのかも。いや、私が向き合う相手のコミュニケーション能力を過信しているだけなのか。家族だって、友達だって、大事にしたい人だって、100%意思疎通なんてできるわけない。でも、向き合って信じ続けるしかない。

そして自分も自分のことを理解していない、理解していないなりに、理解できない相手と向き合おうとするのだ。

何もかも不十分でも関わり続けたいと思う、人間讃歌だ。
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