言葉は、相手を、そして自分を理解するためのツールである。
一方で、融通の利かない厄介なシロモノでもある。
うまく表現できずにもどかしい思いをすることもある。
なぜ伝わらないかと相手にイラ立ちを覚えることもある。
とはいえ、我々は言葉の持つ力に、可能性に希望を覚えていることも事実である。
色を排した映像は、言葉の持つ力・持たない力を際立たせる。
最初はぎこちなかったジェシーとジョニー。数多くの言葉を交わし、徐々に打ち解けていく。
ジェシーから繰り出される「なぜ」「なぜ」の問いに対して、ジョニーは真正面から向き合おうとしない。
ただ、無理やりにも自問自答を促され、自己の理解を深めていく。
そして、終盤、叫びあうシーンを迎える。言葉を介して、お互いのつながりが生まれた瞬間。心に深く染みわたる。
インタビューにこたえる子どもたちは未来への希望を語る。
これもまた言葉で紡がれている。