たいてぃー

ミッドナイトスワンのたいてぃーのレビュー・感想・評価

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)
3.8
内田監督作。オリジナル脚本で、原作まで書いている。草彅剛他、役者の熱演もあって、力作で間違いない。
それにしても、トランスジェンダー凪沙役の草彅剛の女性的な仕草は、ほんと驚く。指導役がいるそうだが、見事にこなしている。発毛剤のCMでミノキ兄弟の兄役を演じているが、同一人物とは思えない。(このCMは独特のユニークさがあっていいね)
好きなシーンは、凪沙と一果(服部樹咲)が階段でバレエを踊るシーン。脚本にセリフはなく、アドリブとのこと。二人の心情が結びつく、観てて心が温まる、いいシーン。二人に声をかけるおじさんが意味深な発言。堀田眞三が演じてる、渋いね。
バレエの講師からの「お母さん」って呼びかけや「ハニージンジャーソテー」を食するとこは、ほっこりするんだけど、後半の凪沙の故郷での罵り合いはキツいね。(水川あさみの母親役は卓越してたけど)
凪沙が務めるショーパブのシーンもいい。ダンサー、アキナ役の真田怜臣は、実際にトランスジェンダーとのこと。アメリカでは、トランスジェンダー役をシスジェンダーが演じるとは何だって議論がある。でも、本作の演者は素晴らしいし、人物像は、ストーリーにはまり込んでいて、無くてはならない存在。映画製作において、そこに拘るのはどうなんだろう?

(以下はネタバレ含みです。)
一果の同級生で登場のりん。裕福だが闇を持つ。屋上での結婚式のシーン、コンクールで踊る一果とシンクロして踊る。そして、ジャンプしてそのままダイブ。このシーンは、本当にショッキング。思わず、「あっ」と口にしていた。このシーンが尾を引いて、その後が入り込めずにいた。別の表現は無かったのか?