「トランスジェンダーと白鳥の湖」
トランスジェンダーの主人公と親の愛情を知らない少女の擬似親子的な愛の姿を描いた、「下衆の愛」の内田英治監督オリジナル脚本によるドラマ。第44回日本アカデミー賞で最優秀作品賞を受賞。トランスジェンダーの主人公を演じるのは草なぎ剛。
絶賛されていて日本アカデミー賞も受賞した中でかなり期待値上げて視聴したんだが、正直そうでも無かった。いやまあ面白かったんだけど、突き抜ける面白さがあったかと言われるとそこまでか?と思ってしまう。
というのも急にある人物が飛び降りたり急に一果の本当の母が客席にいたり急にタイに手術受けにいったり急にある人物が病気持ちになったりと結構唐突な場面が多過ぎる。それまでの心情を描いてはいるんだろうが、ちょっとそこに至るまでの描写が足りないんじゃないかなあ。
それとは反面に凪紗と一果の関係性は絶妙だった。最初は全く心通わない2人だったが、バレエをきっかけに段々と心通わせる。凪紗のトランスジェンダーでしか生きられない葛藤と苦悩、一果の徐々に他人に心開いていく心情の機微を上手く描いていた。演じてる2人も本当に上手い。他の俳優陣も文句無し。特に水川あさみのヤンキー上がりのキャラが良かったわ。最初誰か分かんなかった。
急にある人物が病気持ちになったりと先ほど批判したけど、その流れにのって迎えるラストには泣いた。未来に希望が持てる終わり方で良かった。
と、色々とあれこれ言ったけど、面白かったのは確かだし草なぎ剛のオネエ役がハマっているしそれを見るだけでも価値があるんじゃないでしょうか。でも比べて申し訳ないがバレエの名作「リトルダンサー」にはちょっと劣るかなあと。期待値上げ過ぎてもダメだな。