赤穂

ミッドナイトスワンの赤穂のネタバレレビュー・内容・結末

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

生々しく痛々しい、ビリビリと痺れるような物語。生半可な気持ちで見ると心をやけどします。

そもそも、LGBT問題が〜と語る視点で観るものでは無いと感じました。
今も昔も変わらない、「普通じゃない」と集団から弾かれた人間達の葛藤です。苦しいです。

個人的に1番印象的なのは、凪沙が坊主頭にして昼職を始めた場面。
「母になりたいから男になった」と言える、最大の心の矛盾だったのではないでしょうか。

強く生きなければいけない。
そのために本当の自分を殺さなければならない。
肉体の死ならそこで終わりですが、心を殺しながらも肉体は生きていく。想像に余りある苦痛です。
だからこそ、「心と肉体が一致して開放された」とも、「心も肉体も救われなかった」ともとれる最期がまた…どこまでも抉られますね。

草彅さんのトランスジェンダー演技もさることながら服部樹咲さんがバレエ演技含め本当に凄い。

人を選ぶかもしれませんが、仲の良い友達には勧めたい作品です。
赤穂

赤穂