プリオ

ミッドナイトスワンのプリオのレビュー・感想・評価

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)
5.0
いい映画は手が止まるなーと思わされた映画だった。

映画の中に引き込まれて、登場人物立ちに思いを馳せる。孤独を抱えている人たちの話だったので、僕にはすんなり入ってきた。

ただ、想像以上にハードで残酷なストーリー展開。てっきり元SMAPの草彅剛を持ち上げたお涙頂戴系映画かと思ったが、そんなことなかった。 

草彅くんはSMAPの中では遅咲きというイメージだったが、今や一番勢いと実力があると思う。

僕はSMAPが出る番組はよく見ていた。彼らのバラエティーはその辺のお笑い芸人の番組より、はるかに面白い。一人一人のキャラが立ちすぎていて、個人でもやっていけるが、グループとしてまとまった時にとんでもないオーラを放つのがSMAPだと思う。特に木村拓哉はSMAPで輝くことができていた存在だったと感じる、今日この頃だ。

内田英治監督は、演技を意識してとった映画と言っていた。確かに、みんなそうみえた。演技していたというより、そうみえた。自然で、まるでドキュメンタリーを見ているかのような感じ。水川あさみも最後まで誰かわからなかった。 

主人公はトランスジェンダー。自分の中で違和感を抱えながら、社会で生きてきた。それは、なかなかに苦しいことで、孤独に陥りやすい。いわゆるマイノリティーとされている人たち。本当の自分を出して生きていくのが難しい世の中で、もがくマイノリティーの生き様を、僕たちは突きつけられる。目を逸らさずに、真正面から受け止めて、その痛みを感じたい。
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