おれんじな猫

ミッドナイトスワンのおれんじな猫のレビュー・感想・評価

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)
4.8
こちらへ書くのは2023年5月ですが
観たのは映画が公開されてまもなくの2020年秋でした
Netflixで観てみようかと思う人が増えているようなので
その時の感想を自分なりに書いていたものをこちらに再掲します
□□□□□
長い予告を観ていたし
あらすじを読んだりしたので
結末は何となく想像していた
でも、それは想像を遥かに越えていた

いつもそうですが
導入は映画の


映し方(カメラワーク)
を観る

とても好きな色だな
映し方も好きだな、と、感じているうちに
物語はどんどん進んでいった

でも、不思議な感覚で
創られた物語なのに
ドキュメンタリーを観ている気持ちになった

凪沙達が投げ掛けられる言葉や視線に
何度も心の中でグーパンチをしていた
それでも、かすかな光を感じられた

けれど、予告では分からなかった
もうひとつの人生に気づいた時
光が消えていくように感じた

この映画は
そこまで闇を映すの?と、いう部分と
こちらが想像するしかない部分が混在している
台詞もけっして多くない

だから作品の感じ方が人によってかなり違うのではないだろうか

でも、ひとつ言えるのは
この映画は主役だけでなく
周りの人が皆が“適役”だということ
たった一言だけの台詞の人も
一場面の表情しか出てない人も
その人そのものに思えた

印象的なのは色
その色の中でも
【赤】の美しさと哀しさが強烈

ピアノの音は激しくて切なく
バレエのシーンがより美しく感じられた

私の想像を越えた結末だったけど
じんわりしたあたたかさが残った

トランスジェンダー がテーマのひとつだけど
私は
ネグレクト も裏テーマではないだろうかと思った

観終わった後、凪沙だけでなく
それぞれのことを考えてしまう映画でした

映画のラスト近くの赤いハイヒール
後ろ姿がかっこ良かったなあ