事前情報なしで見たけど、自分の想像を遙かにしのぐとてつもない愛の物語だった。”草彅剛が演じている”んじゃなくて、口調から吐き出す感情まで凪沙本人が発しているようだった。
まずなんといっても、似たような寂しさを抱えたふたりが互いに影響し合って変化していく姿が素敵。親の過干渉に悩むりんだったり、悲惨な生き方を強いられる瑞貴だったりと苦悩する人がでてきて、ホテルでの瑞貴の叫びがその苦悩を代弁しているようだった。だからこそ、似たような苦しみを知ってるために、互いに支え合えることができるのかなとも思った。
そして美しく舞う一果に希望を見出して、自分の生き方を決めた凪沙が凜々しかった。それまで”醜い？”の場面みたくどこか不安を抱えていても、一果との生活を通じて女性や母として生きる覚悟を決めた所が印象的だった。その一方で、不幸な生い立ちであっても生きる道を見つけて、自分や他人を変えていった一果もやっぱり素晴らしい人間だと思う。
