KIYOKO

ミッドナイトスワンのKIYOKOのレビュー・感想・評価

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)
1.0
「っぽさ」だけで作った映画に見えた。

出てくるキャラクターも映画そのものも総じてステレオタイプだし、客にそう思わせたい為に置かれた感の強い作劇的な場面が点在してるから。

「社会問題欲張りてんこ盛りパック」のお大安売り!という感じで、なかなかにダサい。

演出やシナリオのくどさがそう思わせるのだろうか。

あまりに過剰な悲観的状況の連発に、リアルではなく、もはやコメディに感じた。

そういう面である種のポルノを見せつけられてるような気持ち悪さも感じる。

騙せる人は多そうだなというテーマとキャスティングにまず「あざとさ」を感じる。

内容面でも最近だと『BLUE GIANTS』を見た時に感じた作劇的すぎる「あざとさ」に嫌気がする。(いきなり声かけてくる爺さんとか)

感情がジェットコースターというか、言葉にした方がいいところはせずに、言葉にしない方が映画として効いてきそうな部分がセリフになってるのもそう思わせるのかもしれない。

あるいは主演の微妙な芝居がそう思うわせるのかもしれない。

この作品に限ったことではないが、日本映画って全体的に登場人物のコミュニケーション不足が気になる。追い込まれた状況になるまで何も喋らず、急に「うわー!」ってなるパターン多いような。

これを作った人間のセンスもだが、この程度の映画が評価されてしまう日本映画界の審美眼に疑問を感じる。
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