よす

ミッドナイトスワンのよすのネタバレレビュー・内容・結末

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)
1.5

このレビューはネタバレを含みます

なんかテキトーで雑な作品だなぁって印象しかなかったです。

俳優陣の演技力などは、とても光るものがあっていいとは思ったが、なぜこの映画が作品として評価されているのか理解できないまま最後まで見た。

まず、全てのキャラクターが前時代すぎるし、描き込みが足りないのがノイズでしかなかった。

思春期の不貞腐れた女子の描き方も、金持ちなり金の家庭の描き方も、シングルマザーの描き方も、性転換した事を打ち明けられた親の嘆きの描き方も、貧困層の描き方も、そしてなりより1番肝心のトランスジェンダーの方々の描き方も。

全部が半端で表面だけをなぞっているようで、誰にも感情移入できなかった。

不勉強なんですが、今の時代どのくらいの割合でいるんでしょう。性転換後の感染症で亡くなる方って。

母子家庭で荒んでいるのにあの女の子はバレエを習っていたって事ですか?

なぜ実家の母は何年も会ってない息子に預けるんですか?
立派な家があるのに、なぜ自分のところに引き取らなかったのか?

最後に海に行きたい理由はなんでですか?
海が好きとか伏線ありましたか?

なんか思いつきで動き過ぎです。

中盤の面接官が「流行ってますからねLGBTQ」って言ってたのが、監督の本音なのでは?
ただ、ブームだからLGBTQを題材に映画でもとってみるか。そう感じてしまうくらい人物の描き込みが足りない。というか嘘くさい。

日本社会を風刺するつもりなのかしりませんが、テーマだけが独り歩きしてます。

久しぶりに世間の評価と自分の評価が乖離する映画に出会えた稀有な映画体験でした。

ただ、役者陣の演技力と、トランスジェンダーという繊細な内容をテーマにした事で、そう言った方々の苦悩や苦労を世間に知ってもらうきっかけは持ってもらえたので、そこは評価に値するかなと思いますが、結構心底嫌いな部類の映画でした。
よす

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