このレビューはネタバレを含みます
トランス女性と、シングルマザーの子で親を頼れない女の子が同居することになるはなし
バレエダンサーの成長みたいな軸も入ってくるのは見てから知ったけど、それのおかげですごく爽やかさと美しさが表現されててすばらしかった。
いちかとなぎさが心を寄せていく過程の繊細な心理描写がめちゃくちゃ良かった。
最初かなり心を閉ざしてる同士の関わり合いだけど、急にそんな近づく？みたいなシーンはほぼなくて、自然で、共感できて、グッとくるシーンが積み重なってできた関係だった。
そこそこ仲良くなってきた後にまたマンガとか朝メシとかぐちゃぐちゃにしちゃうんだけど、渚が怒らず抱きしめてあげるシーンがすごくよかった。
気持ちの伝え方がわからないだけなんだよな。ほんとに。気持ちを言葉にするのなんて大人にだってできないのに、なにもわからない子どもが大人の勝手さでずっとぐちゃぐちゃな気持ちに引き裂かれ続けてきてて。
別にほめられたいわけでも導かれたいわけでもなく、ただ自分の気持ちを受け止めてほしいだけなんだよな。っていう学びがあった。
でも、日本ではトランスジェンダーを大々的に扱って高い評価を得てる希少な作品なのに、トランス女性の描写に関しては正直取材が甘いし誇張されすぎた表現が多くてちょっとびっくりした。
リアリティっていうよりかは欲しいプロットに合わせてる感じだと思ったけど、うーん。センシティブなテーマだからあんま道具にしすぎんで欲しいなというのが正直な気持ち。
マイナスなこととかは別に言ってないけど、医者が手術勧めてくるのとか、なんかこれ系の作品によく見られるシーンだけど、現実でそんなこと絶対ありえないからな。あと毎週注射は打たん。
そこらへん、勉強次第でなんとかならん？と思っちゃうのは否めなかった。
草彅さんもちょっとやりすぎ感あるなー。ま、だんだん見慣れて気にならなくなってきてたけど。
