救われない人ばかりで重い作品。
草彅くんの演技、明暗を分けた2人の少女の運命、バレエシーンが特に印象的だった。
草彅くんの演技って決して上手いとは思えないんだけど、上手い下手を超越した彼にしか出せない持ち味があると思ってて、それがトランス女性を演じる本作では強烈な個性としてバチっとハマった感じがある。途中一瞬だけいつもの短髪の姿で登場したんだけど、いつもの姿に逆に違和感を覚えてしまった自分に驚いた。それくらい凪沙を演じる姿が自然だった。
一果とりんには生まれながらに各々持つものと持たざるものがあり、一方は持つものが希望となり羽ばたき、一方は持たざるものたちに絶望して堕ちていった。この対照的な2人を同時進行で描くシーンは見事で、美しくもあり残酷でもあった。
