ゆしんごろ

ミッドナイトスワンのゆしんごろのレビュー・感想・評価

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)
4.6
先行上映にて鑑賞。
バレエには全く詳しくないが、一果のバレエシーンには山岸凉子の舞姫テレプシコーラを彷彿とさせるし、思春期特有の危なげな不安定さは萩尾望都のトーマの心臓を思い出させる。
草彅剛演じる主人公の凪沙はトランスジェンダーで、この日本社会で生きる苦しみや辛さを体現していた。
新人の服部樹咲はネグレクトを受け感情をなかなか出せない等身大の中学生一果そのものだった。バレエを通して成長していく姿そして踊る姿は圧巻だった。
凪沙と一果だけでなく、2人をとりまく全ての登場人物もリアルだったし、それぞれの人生や背景ももっと見てみたかった。
“女性とは”“母性とは”“生きるとは”“成長とは”…をダイレクトに問いかけられた作品。
上映後は放心してしまい、暫く席を立ち上がれない程の衝撃と感動だった。
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