親子の愛とは血かそれとも環境か？そんなことを考えさせられる作品。
トランスジェンダーとして生きることの辛さ、難しさは私の想像を優に超えていて、その現実を改めて目の当たりにさせられました。その中で一果の母になろうと模索し進んでいく凪沙の姿は痛くて、でも美しくて…草彅剛さんが凪沙という難しい役を繊細に演じていて、凪沙が一果と出会い徐々に母の顔になっていく様は圧巻です。そして一果役の服部樹咲さんの新人とは思えない存在感ある演技と美しいバレエ。2人の名演で物語に引き込まれ、何度も涙が溢れました。
服部さんはバレエコンクールでの受賞歴もあるそうで、劇中でも長い手足に表情豊かなバレエを披露しており、思っていた以上にバレエ映画としてもしっかり楽しめました。
トランスジェンダー、ネグレクトなど現代社会の問題を軸としながらも、普遍的な愛を描いた切なくも美しい作品です。
