まりす

ミッドナイトスワンのまりすのネタバレレビュー・内容・結末

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

先行上映を見ました。
多少ネタバレありますが今の気持ちを書いておきたい。

ジェンダーを否定したいのに女性らしさを否定出来ない人間の心情が切なく厳しく描かれていて、現実を突きつけられる部分もある、決して甘ったるい作品ではありません。
草彅剛さんは、今までのどの作品よりも自分のままで何も考えずに演じられたと言っておられたけど、それは本当にジェンダーを超えた、人としての愛情表現をすれば良いだけ、と言う意味なのかなと感じた。いちかを本当の娘のように大切に思う気持ち、本当の母になりたいという心の焦り、その後の達成感は彼がそのまま感じて演じた事で、難しいものではなかったんだろうな。

凪沙はね、かっちりとしたトレンチコートやライダース革ジャンを着るの、その下には女性らしいニットやスカート、ビンヒール。
自分の男っぽさも否定できない、でも自分は女だと。どうにか生きるスタイルを保っているようにみえた。でもねある日赤の女性らしいコートに変わる。
自分が女になったんだという自信の表れかな。
いちかの実母に負けたくない気持ちから、結局女性の身体にこだわってしまう、その事が凪沙の残念なところだった。自分の、ありのままでいちかを愛すれば良かったのに、、と思うが、それは私がジェンダーの矛盾を分からないからなのかもしれない。
服部樹咲さんのバレエの素晴らしさは言うまでもない。役者としても素晴らしい存在感を見せてくれました。
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