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Port Authority(原題)のさのレビュー・感想・評価

Port Authority(原題)(2019年製作の映画)
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フィン・ホワイトヘッドが約5年ぶりに日本のスクリーンに帰ってくる!と思い立って出演作積みDVDを消化。

身一つでNYに到着したばかりポールは、一緒に暮らす予定だった姉に拒絶され途方に暮れていた。しかし街で出会った男の手引きで安ホステルに寝泊まりし、家賃滞納者から家財を差し押さえる仕事に加わることに。
ポールはある晩迷い込んだクラブで踊るダンサー・ワイに惹かれ、二人は次第に関係を深めていく。ワイの友人から彼女がトランスジェンダーであると知らされたポールは衝撃を受けるが、、、という話。

白人シス男性の"気付き"に一貫しすぎていて、ワイと彼女が生きるボールカルチャー/コミュニティの描き込みが足りないという批判はまさにその通りなのだが、若者上京ロードームービーとしてはまあ丁寧な仕事をしているのじゃないかな。自分を迎え入れる存在がいない街で、決して交わることのないコミュニティを行き来するポールは心中ずっと帰る家を求めている。嘘に嘘を重ねる姿に観ていてとてもヒリヒリした分、本当の自分に向き合い始めるラストはビターだが暖かい。
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