ずどこんちょ

サイレント・トーキョーのずどこんちょのレビュー・感想・評価

サイレント・トーキョー(2020年製作の映画)
3.3
この渋谷駅前のスクランブル交差点をリアルに再現した足利のオープンセットはこれからの日本映画をとても迫力満点に盛り上げてくれるロケ地だと思います。今までしたくても、なかなかスケールが大きくてできなかった映像が形になりそうです。
渋谷駅の改札内トイレまでリアルに再現しており、Netflixドラマの『今際の国のアリス』で見た時も馴染みの風景に訪れる非日常感があって非常に良かったです。
渋谷のスクランブル交差点のみならず、新宿駅前とかどんどん展開して欲しいです。

さて、そんな足利の渋谷スクランブル交差点にCGを足して、非常に迫力満点で刺激的な渋谷爆破事件が発生しました。
犯人はちゃんと爆破時刻も場所も予告していたのです。
それなのにハロウィンに渋谷でバカ騒ぎして軽トラひっくり返すような、現実感もなく後先考えなかった若者たちやユーチューバーたちが、警察の制止を振り切って騒いでいたせいで爆発に巻き込まれてしまいます。自業自得と言えば自業自得。
そしてそこに犯人が苛立ちを覚えていた国民の無関心さが表れています。世界の戦争やテロはこの国とは無縁だと決めつけて、「こんなに警察いるから大丈夫っしょ」と何の根拠もなく安心しきっている体質。
"平和"ってこういう警察の制止を耳にせずに爆破予告をイベントのようにバカ騒ぎしながらネット配信して楽しむことじゃないですよね。

最大の見どころは渋谷の爆破事件。
それは結構序盤で展開され、そのあとは警察たちの犯人捜索や犯人の背景描写が始まります。所々に挟まれる文章テロップにはやや違和感がありましたが、最後のテロップはなんだかちょっと冷めました。
ホラーでよく使う文言や、それ。

戦争を知らないのに戦争を語る総理とかいろいろメッセージはありましたが、まぁ何より現状にリスクがあるかどうか、何が問題の本質なのかを見極めて行動できる人間になりたいです。
少なくともあんな爆破予告が出ている時に野次馬のように、のこのこ現場に集まるような愚かな選択はしない人間になります。