そっと置きにいったネコ付き微温社畜部長劇
なんだろね、強弱凸凹メリハリのない社畜物語は詰まらないということに尽きる。
女性監督はどうしても角の取れたなだらかな演出になりがちなので、なぜリストラ専従鬼部長を描く映画に抜擢したのか首をかしげるところ。
こちらが憎悪感情を掻き立てられるくらいの鬼っぷりを強烈に描くことで猫可愛がりする時とのギャップが大きくなり、その落差ゆえに見ている側にも戸惑いが生まれるなどのうねり効果が生じるのに、そこは惜しまれる点。
一軒家なんだから鬼部長も最初から家で飼えたはずなのに、話の展開上研修生が住むアパートの一室で猫を飼うという不自然な設定になったのももやもや。
それに加えて、リストラ専従で精神崩壊という風には見えないのに辞職なんて、多分家のローンも残ってるだろうし、あの年でいい条件の再就職は難しいだろうから、やはり素直には受け入れられない展開。
総じて猫さえ出せばそこそこ集客は見込めるだろうという実に安直な動機で作られた凡作ということ。
その割には猫の可愛さも充分には引き出されていなかったしね。
1.2の一つ星
012103