ShinMakita

天才ヴァイオリニストと消えた旋律のShinMakitaのレビュー・感想・評価

1.7

1938年、ロンドンのシモンズ家に9歳の少年が下宿することになった。少年の名はドヴィド・ラパポート、ポーランドに住んでいたユダヤ人である。ナチスの迫害を恐れた両親が、類い稀なバイオリンの才能を持つドヴィドを安全なイギリスに移住させようと考えたのだ。シモンズ氏は彼に音楽講師をあてがい、その才能を伸ばそうとする。彼の息子マーティンも同じく9歳で、ドヴィドと親友になっていく。ドヴィドとマーティンが成長し、21歳となった1951年。世界がドヴィドに注目し始め、ついにファーストコンサートが開かれることになった。しかし当日、リハ直後にドヴィドは姿を消してしまう。


それから35年後。50を超えたマーティンは、細々とロンドンの音楽業界に身を置いて生活していた。ある時ニューカッスルで行われたコンクールで、少年バイオリニストが松ヤニにまじないのキスをする姿を見て衝撃を受ける。そのまじないは、ドヴィドの癖だったのだ。長年ドヴィドを探し続けていたマーティンは、ついに手がかりを見つけたと思い、その少年から話を聴こうとするが…


「天才ヴァイオリニストと消えた旋律」



以下、「あと四時間ある。ネタバレでも抱いてこい」



➖➖➖➖

ティム・ロス主演の音楽ミステリー。天才ヴァイオリニスト、ドヴィドはなぜ失踪したのか? という謎で引っ張るドラマです。


…確かにヴァイオリンのシーンは吹替だとしても素晴らしいんだけど、音楽映画というよりはホロコースト映画の変法なので、演奏後の余韻が重い。原題〈名前の唄〉の意味が判る瞬間は、腑に落ちると同時にやるせない気持ちになりました。
ShinMakita

ShinMakita