CharlieZG

天才ヴァイオリニストと消えた旋律のCharlieZGのレビュー・感想・評価

3.3
戦争に人生を狂わされた音楽家の友情と苦悩の物語。

バイオリンの神童としてポーランドからロンドンに単身移住して来たユダヤ人ドヴィドルはデビューコンサート開演直前に謎の失踪をする。事情を知らず時を経て捜索し裏切りを清算させるマーティンとの一風変わった友情が本筋。

背景には第二次世界大戦時のナチスドイツによるポーランド侵攻 “トレブリンカ収容所” の悲劇があり、個を捨て信仰へ向かうドヴィドルの深い悲しみが原題「The Song Of Names」としてクライマックスへ繋がり胸を打つ。

見所は当然そのクライマックスのステージだが、空襲で避難した防空壕内でのドヴィドルとユゼフのバイオリン・バトルは胸をすく。

戦争が影を落とした人生の憂い、ユダヤ人の苦しみは悲痛だが、それに翻弄されたマーティンも別な苦しみを抱え、映画的にスッキリしない余韻を残し少しモヤモヤした。


監督 フランソワ・ジラール

キャスト
ティム・ロス
クライヴ・オーウェン
キャサリン・マコーマック
ジョナ・ハウアー=キング
スタンリー・タウンゼント
ジェラン・ハウエル
ルーク・ドイル
ミシャ・ハンドリー
マグダレナ・チェレツカ
エディー・イザード
CharlieZG

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