ここ数年注目している女優の1人である瀧内公美が主演を務めた社会派ドラマ。瀧内が演じるのは、常に自己検証を怠らないドキュメンタリーのディレクター。いじめによる女子高校生の自殺の真相を追ううちに、学習塾を経営する父親(光石研)の隠された秘密へと辿り着く。瀧内は作品によってはやや便利に起用されている傾向があり、かなり損をしている女優だと考えている。この作品のような役柄こそ彼女にはぴったりだと思っているし、こういう意志の強い女性を演じられる女優はいまの日本では彼女の他にはあまり見当たらない。「彼女の人生は間違いじゃない」(2017年)と並ぶ、瀧内公美の代表作だ。
