抹茶

由宇子の天秤の抹茶のレビュー・感想・評価

由宇子の天秤(2020年製作の映画)
4.1
女子高生と教師が自殺
どうやら二人は男女の関係があり、学校とメディアに蹂躙されたのが原因であるという事件を追うドキュメンタリークルーのお話

冒頭のシーン
亡くなった女子高生の父親に、自殺場所の河川敷で辛辣な質問を重ねるディレクター由宇子
「今娘さんに声をかけるとしたら、どういう言葉をかけますか?」
あのシーンで映し出される審判する側とされる側…

取材を進める最中、由宇子の身内が起こしたびっくり仰天な事件が発覚する

自分がやっている事は正しい
世の為になっている
しかし立場が加害者側に逆転した時、由宇子の正義は揺らぐ
ドキュメンタリーを撮っていた由宇子から由宇子自身のドキュメンタリーに舵を切っていく…
闇を抱えた由宇子は自身の闇にカメラを向ける事が出来るのか、そして待ち受ける衝撃の結末。

緊張感が全く途切れない2時間半でした
自分は好きですこういうテイストの作品が。
当事者でないまったく関係のない所から、切りとられた情報を正しい、正しくないとSNSでしかもワンクリックでジャッジする世の中
その情報は本当に整合性がありますか?
切り取られた情報以外の部分を考えましたか?
今の社会の暗部について一石を投じる骨太な作品でした。
抹茶

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