ナマケモノ

愛国者に気をつけろ!鈴木邦男のナマケモノのレビュー・感想・評価

3.6
2023年1月に逝去された
政治活動家 鈴木邦男さんを追ったドキュメンタリー映画。

学生運動華やかなりし時代、早稲田大学の進学した邦男さんは、三島由夫に影響を受け、右翼団体の活動に参加。
右翼団体"一水会”を立ち上げ、
やがて右翼を代表する人物となる。

時の活動を知る人にとっては武闘派、過激な人物像として知られているが、
近年は「右翼でも左翼でもない」色んな立場の人々の話を聞こう、対話をしようという考えに変わったそうで作品の中では、ひたすら優しい雰囲気の邦男さんが語っています。

愛国心を強く持っていた邦男さんが、
後年、愛国心というものに疑問を持ち続けて、意見が違う人でも歩み寄って和ませる姿勢は、学びにもなりました。

過去、過激な姿勢であったにもかかわらず、
近年、対話をしようという姿勢に変わったことについて
「トイレに落書きがあったとして、昔は自分で消してしまっていたが今は、まず消すかどうかを話し合いましょうという考えに変わった」
という邦男さんの言葉は印象的でした。
また邦男さんと真剣に向き合う中村真夕監督の姿勢も素晴らしいと思いました。
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