なお

アントマン&ワスプ:クアントマニアのなおのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

人生は、意味不明。

MCU第31作。
そして”新章”フェーズ5の幕開けを告げる作品となる。

5年ぶりのアントマン新作。
世界で最も小さなスーパーヒーローが、新生アベンジャーズ最大の敵となる<征服者カーン>との戦いに挑む。

✏️Home is good.
スコット・ラング/アントマンとホープ・ヴァン・ダイン/ワスプ、そして二人の娘であるキャシーが展開する、「アントマンらしい」大小を切り替えてのスピード感あふれる独特のアクション・シークエンスは本作も健在。

また、今回のアントマンはもはや「肉眼では見えない」などという言葉では生ぬるいレベルの量子世界が戦いの舞台となる。

その量子世界を表現すべく創られた美麗かつ壮大なコンピュータ・グラフィック映像はまさに「映画館で見るべき」映画体験といえる。

が、しかし。
全体を通して「MCUにしては」少々地味というか、印象に残るシーンが少ないのが残念だった。

アクションも、先述の通り「アントマンらしさ」はたしかにあるが、有り体に言ってしまえば「本作でなくても見られる(=過去のアントマンシリーズとの既視感)」レベルに留まっており、目新しさというものはあまり感じない。

どちらかというと量子世界の住人たちによる、まるで「スター・ウォーズ」のごとき敵味方入り乱れての白兵戦部分に重きが置かれており、「MCUらしさ」というものを見失っているようにも感じた。

そうそう。
この「量子世界」の描写についても少し違和感。

自分は別に量子力学に精通している学者でも何でもないのであまり偉そうなことは言えないが、自分たちの目に見えないくらいミクロレベルの小さな世界で、これまた「スター・ウォーズ」のような異星人然とした見た目の住人たちが街を闊歩して、ひとつの「都市」を形成するまでになるものなのだろうか…?

百歩譲って異星人はまだいいとして、スコットたちと同じ人間の見た目をした存在がいるのもこれまた違和感(量子世界に追放されてきたカーンは別として)。

また、菌や細胞といった微小なものしかないはずの量子世界で、まるで近未来都市のような「帝国」をカーンが築いているのもこれまた違和感。

自分はSFはキライじゃないし、むしろキライだったら初めからMCUなんて見てないと思うのだけれど、本作の世界観には最初から最後までハマれなかった。

本作公開から1週間のあいだ、TLで皆様のレビュー(といってもネタバレが怖いので点数だけ)を拝見していたのだが、軒並み★3.0~★3.6の評点が多い理由がなんとなく分かった気がする。

☑️まとめ
フェーズ5の先頭バッターとしてはちょっとアレな出来になってしまっているけれど、MCUとは今までのフェーズ全体を通しての壮大な物語であるということを忘れてはならない。

そう考えれば、今までの何作かにもあったように(火種になるのであえて作品名は挙げないけれど)、本作もどちらかというと今後の作品展開や物語を盛り上げるための「中継ぎ投手」的な作品だと思うのがちょうどいいんじゃないかな…

無論「中継ぎだからクオリティが下がっても仕方ない」とかそういうことを言いたいワケではない。
野球に詳しくない方にはスミマセンだけど、中継ぎ投手は1回から9回まである野球のゲームを作る中で、目立たないけれど超重要な存在だ。

「MCUはもう終わりだ…凋落の始まりだ…」と嘆く方もいるかもしれないが、キャシーが新たに戦力に加わったり、ミッド・クレジットではロキことトム・ヒドルストンが久しぶりにスクリーンに登場したり、マルチバースからやってきた大勢のカーンが画面を覆いつくしたり…

ホラ、今後のMCUを見るのがまた楽しみになる種が確実にまかれたでしょう?

<作品スコア>
😂笑 い:★★★★☆
😲驚 き:★★★★☆
🥲感 動:★★★★☆
📖物 語:★★★☆☆
🏃‍♂️テンポ:★★★☆☆

🎬2023年鑑賞数:25(8)
※カッコ内は劇場鑑賞数
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