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鬼手のTAMUのレビュー・感想・評価

鬼手(2019年製作の映画)
2.9
まあ見る前から大して面白くなさそうな雰囲気はあった。

見るからに大味な囲碁ノワール映画。
今年は主演クォン・サンウ映画が3本立て続けに公開される。正直どれもこれもな気もしたが、どれも行かないと推しのシネマートが潰れかねないので、自分の得意分野のノワールとなる本作を選択。

中でも本作、ノワール感と囲碁。一応、チョン・ウソン主演の『神の一手』の続編。監督、出演者総入れ替えで、一作目と別人のストーリーとは雑な💦

本作、予定通りストーリーの雑さがB級感に拍車をかけるが、バカ設定には色々満足。

電車の通る陸橋で、電車のいない間に囲碁で、負けるとはねられる的な。。
是非、憎しみあいながらも2人で準備しているシーンも見たかったw

あと、殺人囲碁台みたいのを使う青年は、あれを作ったの?
製作中のシーンも見たかった💦

特に印象的なのは腕を掛ける占い師。相手の生い立ちから全てを見抜く、常軌を逸したおじさん。
「顔をあげるな。道を見失うぞ。」て囲碁中に誰かに言いたくなる。
負けた相手は裁断機を使って、自分で自分の腕を切り落とすルールがツボw

ちなみに個人的に期待した何らかの理由での全裸囲碁は無かった💦

一方、ガッカリはキム・ヒウォン。クソ野郎な相棒となるトン役。これがまあ『タチャ』のタプさんの相棒となるユ・ヘジンと立ち位置も雰囲気も瓜二つ。

キム・ヒウォンと言えば『アジョシ』の兄弟の兄ちゃん。あの死んで当然と思わせるクズ演技を久々に見れると期待したのに。。

もう1人、大好きなキム・ソンギュンは幼少期のクォン・サンウが出会う恩人役。
こちらも『悪いやつら』に見たキラーな若頭感が見たかったが、こちらも根は優しいチンピラでクォン・サンウに少林寺のようなナゾ修行の師匠となる。

2人とも売れちゃったから、クズ役は出来ないの?ソンギュンは頭のてっぺんが結構きてて心配w
一緒に寺にいたおじさんはマキタスポーツかと思った。

いずれにせよ、ストーリーはこの上なく陳腐。
ドラマ「梨泰院クラス」が、現代社会を切り取った見事な結末を迎えた復讐ストーリーであったのに対し、ひと昔前の結末を迎えてめでたし感を出す本作は、なぜ今作る必要があったのか…
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