ツナマヨ

エルヴィスのツナマヨのレビュー・感想・評価

エルヴィス(2022年製作の映画)
3.9
ヒョロガリの青年からだらしない体型になりだした晩年まで演じきってるオースティン・バトラーが本当にすごい。

いろんな音楽に溢れ、ロックも細分化した現代では、エルヴィスの曲はノイジーではないし、当然真新しさもないオールディーズ。
しかし映画の中でパーカー大佐に見初められた無名の男のステージを目の当たりにしたとき、初めての戸惑いに沸く観客と同じように、聴いたこともない(いい意味で)うるさいロカビリーに震えた!
腹に響くウッドベース、リズムに乗ったシャウト、吸い込まれそうな瞳と特徴的なダンスから溢れる色気にあてられて、倒れそうになる当時の若い女の子の気持ちに共鳴する。

「エルヴィスを殺したのは俺じゃない、では何か」と問いかける今際のパーカー大佐(トム・ハンクス)の語りから始まって、結びでその答えについてのナレーションがあるけど、それは無理やり着地させた答えというか、本当にパーカー大佐がそう思っていたのかはわからないけど、答えを出す必要のない問いに感じた。

そんな答えよりも、ラストシーンの本人映像の圧巻の歌声のほうがよっぽど納得できて、エルヴィス・プレスリーという大スターがたしかに存在し、説得力のあるパフォーマンスに魅了されて涙が出た。

エルヴィスの生い立ちから成り上がり、落ちぶれていく様などいろいろなことがありすぎて、映画作品として1本にまとめるのも苦労したんだろうなと思うと159分より短く削ることは難しかったのかも?
冗長に感じるシーンはなかったけど、久しぶりにこんなに長い映画を観て足腰は疲れた。
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