乙

エルヴィスの乙のネタバレレビュー・内容・結末

エルヴィス(2022年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

良いところと悪いところが混在していて評価が難しい作品でした。

【良いところ】
エルヴィスのライブの再現シーンは全般的に素晴らしい。主演のオースティン・バトラーの演技が素晴らしいんだと思います。

全盛期のメンフィス、ビール・ストリートの雰囲気の再現も素晴らしい。
ソウル・ミュージック好きでメンフィスにも2回訪れたことがある私としては憧れの地です。シスター・ロゼッタ・サープやマヘリア・ジャクソンはじめブラック・ミュージックのライブシーンもどれも素晴らしかった。

【悪いところ】
パーカー大佐が語り部になっているところ。
本編でパーカー大佐のクズっぷりに憎い感情が込み上げているところ、年老いた大佐に
「私が殺したという人もいるが、エルヴィスを殺したのは愛だ」
とか言わせる終わり方は非常にモヤっとしました。
このパーカー大佐の語りが全部なければ、ずっと良い映画だったと思います。

また、エンドロールはもちろん、劇中にもエルヴィス曲のヒップホップ・アレンジが流れるのが気になります。
ヒップホップ自体は好きですけど、50〜60年代のはずなのにラップが聞こえてきて違和感を感じました。
エンドロールもエルヴィスの音楽に浸りたい気分なのに、急に邪魔されて現実に戻されてしまいました。Love Me Tenderとか流れてたら余韻に浸れてだと思うんですよね。

総合的にはアレサ・フランクリンやレイ・チャールズの映画に比べると見劣りする感じ。良い部分も多かっただけに残念
乙