ミュージカル映画ではないんだけどミュージカル映画さながらに、音楽にどっぷり浸る2時間半でした。
バズ・ラーマンの映像と音の合わせ方が天才的…。ここぞというところで最高に気持ちのいいカメラワークがくる!これぞ“観る”音楽。
過剰な演出と編集は好み分かれるのかもしれないけど、元々MVとか“作られた”映像を観るのは好きなので、私はとても楽しめたし、色々と勉強になった。フォントがレトロでかわいい〜。
バズ・ラーマンのゴージャスさ、エルヴィスには合ってたよ。
怯むことなくガンガン現代音楽も入れてくるところもすごい。メンフィスの黒人街に行くときの曲カッコよかったなー。
エルヴィスを演じるオースティン・バトラーが、もう途中から本人としか思えないぐらい憑依していて圧巻だった。汗の量は嘘じゃなく本当だろう。
あの髪型と服装でもあんなに色気が出せるオースティンがすごい。ヒラヒラつきの白いつなぎってよくネタにされてるけど、初めてカッコいいと思った。
トム・ハンクスに関してはもう…お前は黙っとれぃ!!!!!と何度思ったことか…。それほどまでに憎たらしい演技がうまかったのですが…。
色々とクズではあったけど、心のどこかではちゃんとエルヴィスの音楽を評価して愛してはいたと思う。泣いてたし…。
途中途中で当時の社会情勢や黒人差別のことに触れ、ひどい時代があったもんだな…と。(今もどうなんって感じですが)
そんな中でも黒人音楽にルーツをもった彼が世界一のソロアーティストに上り詰めるというのは、すごく誇らしいことだし、やっぱり差別なんてのはくだらないのだ。
ゲイリー・クラーク・Jrが出ていたし、映画の中でたくさんのブルースが聴けて幸せだった。黒人の声帯は本当に神からの贈り物だと思う。
そういえば、考えてみたらエミネムとエルヴィスって生い立ち似てるよな。(と思ったらエミネムもサントラ参加してました!うぉー!もしかしてメンフィスの曲これ??)
今振り返るとそうでもないんだけど、観てるときはなんか後半ダレてしまったというか、インターナショナルホテルぐらいから「長いな…」と思ってしまった。
まぁ話の展開的に仕方ないのかもしれないけど、最初の熱量がしぼんでしまったのがもったいなかったかな。
またムーランルージュ見返したくなりました。