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エルヴィスのakuruのレビュー・感想・評価

エルヴィス(2022年製作の映画)
4.7
 私の中でエルヴィス・プレスリーといえば、初めて見たアメリカシットコムの「フルハウス」でジェシーおいたんの「推し」だったなぁ、くらいの認識。

 キラキララインストーンに光る「ワーナーブラザーズ」のロゴに、ド派手久々バズ・ラーマンフィルム!!の重低音にテンション上がる。さぁ、イッツショータイム!

 偉大なアーティストほど、お金と薬と愛に人生を狂わされる。エルヴィスもまた同類。というか、エルヴィスがそうだったからこの後のアーティストがそうなったのか?とにもかくにも、神様はすべてを与えるほど心は広くない。

 オースティン・バトラーの「trouble」を聞いた瞬間、キタ!!と思わず震えた。新しいスターの「爆誕」、繊細な見た目に重低音響くロックな声。やばい、これは確かに女子はみんな大好きだ!!
 伏し目がちの目に、長いまつ毛に、なんとも言えない雄みを感じる色気。禁断の果実。
 わかるわ、今の時代にもこれは禁断の果実。
 またバズラーマンの描く主人公にやられた。ありがとうございます。今すぐエルヴィスのライブ会場に行って私もうちわ振って卒倒したい。軍服のオースティン・バトラーは完全にアウトです。耽美がすぎる。

 ストーリーはいつもの「偉大なるアーティストはみんな不幸」。音楽の神様に愛されると、みんな不幸になってしまうのか?みんなを音楽で幸せにするために、自分は犠牲にならなくてはいけないのか?
 
 カントリーとR&Bの融合。
 エルヴィス無くして、ロックあらず。
 エルヴィスがいなければ、ビートルズもクイーンもいなかった。

 この手の映画を見ると、なんともやるせない気持ちと魂が震える歌に興奮している自分と、楽しんでいいのかそれとも怖いなぁと思ったらいいのかいろんな自分がいて混乱する。どの感情が正解なのか。

 この時代に生きるだけでも大変なのに、音楽の才能とトム・パーカーに出会ってしまった二つの出来事でエルヴィスは生涯苦しめられる。トム・ハンクス、まじか…初めてトム・ハンクスを嫌いになった映画でした。

 それでもわかっているのはひとつ。
 オースティン・バトラー!彼の今後の俳優人生がが楽しみってことだ!!!
(夫婦ツーショット…お人形ですか…?)
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