かこじ

エルヴィスのかこじのレビュー・感想・評価

エルヴィス(2022年製作の映画)
4.5
「『ボヘミアンラプソディ』に続け」とばかりに数々の音楽映画が製作されたが、ついに大御所が来た。

スコセッシの『カジノ』を思わせるハイテンポなカットと独特なイマジネーションの連続。
そしてエルヴィス視点ではなく、パーカー大佐(トム・ハンクス)が狂言回しになっているのが、この作品の肝。

エルヴィスが登場するまで、BGMでじわじわと盛り上げ、最高潮で「バーン!」と登場!
こんな演出が作品中3回ほどあって、どれも成功している。
バズ・ラーマン監督は天才だ!

主演のオースティン・バトラーは、線が細いながらもエルヴィスそっくりの歌声で熱演。
若い頃のジョニー・デップみたいに、瞳がキラキラしてる。
その神の子を誘惑する悪魔を、トム・ハンクスは憎らしくも楽しげに演じていて良かった。

黒人音楽ブルースからロックの誕生、ビートルズやストーンズの流れも分かりやすい。

約3時間という時間の長さはあまり感じない。
ただ、お年寄りの観客が多く、途中トイレに行く人がチラホラ。
一緒に観た父はエルヴィスのファンで、感激していた。
今年ベスト10に入る出来。
かこじ

かこじ